「光と影のあいだに」No.17-《Ging da nicht eben das Glück vorbei?》―幸せをつかまえて

今回ご紹介するのは、レハールの歌曲《Ging da nicht eben das Glück vorbei?》。

タイトルを訳すと、
「今、幸せが通り過ぎていかなかった?」

そんな、思わず振り返ってしまうような言葉から始まります。この曲を包んでいるのは、レハール特有の親しみやすく、どこか甘いメロディー。

《メリー・ウィドウ》の〈ヴィリアの歌〉にも通じるような、すっと耳に入り、いつの間にか心に残っている旋律です。

その甘やかなメロディーに乗って、「幸せ」は私の周りをふわふわと漂います。

「あ、今そこにいた!」

そう思って手を伸ばした瞬間には、もうするりと逃げてしまう。

掴めそうで、掴めない。
すぐそばにいるような気がするのに、追いかければまた少し遠ざかっていく。

そんな様子は、「チャンスの神様には前髪しかない」という言葉を思い出させます。チャンスは目の前を通り過ぎたその瞬間に掴まなければ、後から追いかけても捕まえられない。

この曲の「幸せ」も、じっとそこにいてくれるものではありません。

音楽の中を軽やかに行ったり来たりしながら、まるで私をからかうように通り過ぎていきます。

何度手を伸ばしても届かなかった「幸せ」が、最後には、向こうから私のもとへやってくるのです。

幸せは、必死に追いかけて捕まえるものなのか。
それとも、いつか自分のところへやってくるものなのか。

レハールの軽やかで甘い音楽を聴いていると、そんな問いさえも深刻にはならず、どこか微笑みながら、「幸せの方からやって来てくれることもあるんじゃない?」と言われているような気がします。

掴めそうで掴めない「幸せ」と戯れるような一曲です。

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