2026年10月23日、初のリサイタルの機会をいただきました。約1年後のその日に向けて少しずつ歩みを重ねていこうと思います。
それに伴い、こちらのホームページ上のブログでは、今回取り組む曲や作曲家について調べたこと、時代背景や歌詞の意味、そして練習を通じて感じたことを私なりの言葉で書き残していきたいと思います。文章にすることで少しでも理解が深まり自身の成長や表現に生かされることを願っています。
今回演奏するプログラムには、バロックから20世紀、そして日本の現代音楽まで、さまざまな時代・国の作品を選びました。これらは、私の声や表現の色を提示できるようにと、師匠と共に考えたプログラムです。共通して流れているのは「光と影」「生と死」「愛と別れ」といった、人間にとって避けられない普遍的なテーマです。歌に織り込まれた光や影の表現が、私には生と死の表象として立ち現われているように思われるのです。華やかな旋律の裏に潜む孤独や、日常の中に潜む哲学的な問い。その二面性を探りながら、作品に込められた表現を自分の声でどう伝えていけるか、少しずつひも解いて、模索していきたいと思っています。
そんな思いを込めてこの連載には「光と影のあいだに」というタイトルをつけました。光があるところには必ず影があり、希望の裏には哀しみが潜む、、、その間の感情のグラデーションを音楽は映し出してくれるのだと思います。
〈この連載でお届けすること〉
・作曲者の人物像や時代背景
・曲が生まれた経緯
・歌詞の解釈やニュアンス
・演奏しながら思い浮かぶ色彩や絵画のイメージ
・自分なりの解釈や表現の試み
などなど。
最後に
ここに綴る文章は、私にとっての学びの記録であり、読んでくださる方との対話でもあります。どうぞ一緒に、この「光と影のあいだ」をたどっていただけたら幸いです。
次回はバロックの光と情熱を生きた作曲家――ヴィヴァルディについて。
今回の挿し絵:ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「悔悛するマグダラのマリア」
